教室案内

教授挨拶

 将来眼科医になることを考えている医学生の皆さん、眼科専門医を目指す研修医の皆さん、当科のホームページをみていただきありがとうございます。

 眼科と言うと、眼だけで非常に限られた疾患だけを診るような印象や、命に関わる病気が少なく、あまり重要ではないといった印象を持っている方もおられるかもしれません。

 しかし、皆さんは目が見えることを当たり前のことと思っていませんか?

 目が見えることは当たり前と考えてしまうほど生活に必要性が高いのですが、その重要性にも気づいてほしいと思います。例えば、皆さんは両目を閉じたままで、まっすぐ5メートル歩けますか?おそらくできないと思います。つまり、視力が低下する、視機能が障害されると今まで当たり前であった日常生活の多くがものすごく不自由になってしまうのです。いかに視覚が人間の生活に不可欠であるかご理解いただけると思います。

 眼科は、人間の日常生活に不可欠である視覚を守り、そして回復させる視機能再建外科です。若い皆さんは目の病気をしたことがない方が多いので、馴染みがないと思いますが、眼科の治療の半分以上は手術治療であり、多くの外科的手技を必要とします。また、医学の発展は研究にかかっていますが、時間拘束が長く、臨床が非常に多忙な診療科では、臨床をしながら研究の時間をもつことはかなり難しいです。しかし、眼科では、多くの病院勤務医が臨床と研究を両立して行っています。これは臨床と研究の両方を生涯にわたって行っていきたい医師にとってとても良い環境です。

 今後の日本を考えた場合、あと数年でOECDの平均医師数に達する見込みであり、その後は人口減少と少子化とともに医師の過剰が生じる可能性が指摘されています。また、AIなどがどんどん医療に入ってきて医療が変わります。そこで重要となるのが、医師の人間性であり、AIやロボットではできない複雑な外科的手技であると予想しています。

 富山大学眼科では、まず眼科臨床医として十分な臨床経験と手術技量を身に着けることができます。そして臨床研究医として臨床の中で気づいた課題などに対して科学的に解明していく楽しさ、また共同研究などを通して広がる研究のおもしろさを基礎研究、臨床研究にわたって理解できます。そして医師として一番の根本となる患者に対する思いやりや優しさ、倫理観を養うことで、AIやロボットの時代になろうとも眼科医として存分に力を発揮していくことができる医師を育成しています。

 ぜひ眼科医になることに興味をもつ方は、富山大学眼科に来てください。お待ちしています。

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富山大学医学薬学研究部
眼科学講座 教授
林 篤志